公正証書遺言を作成するメリットと弁護士に依頼するメリット
公証役場で公証人に口述して作成してもらう遺言書のことを「公正証書遺言」といいます。
公正証書遺言は他の遺言書よりも正確性が高く、また相続開始後も速やかに執行できるため、相続対策としては非常に有効な手段であるといえるでしょう。
ここでは、公正証書遺言を作成するための手順やメリットに加え、作成時から弁護士の力を借りるメリットについて解説します。
公正証書遺言は最も有効かつ確実な相続対策
公正証書遺言とは、過去に法律の実務経験を持つ公証人(元裁判官など)が作成する遺言書のことを指します。
公正証書遺言に記載されている遺言内容は、法的に正しく機能していると見なされ、信頼性が非常に高い遺言書として扱われるとともに、記載内容の正しさや証明力、法的執行力を持つことになり、相続人の間で法的な争いが起こらないよう防ぐ効果もあります。
公正証書遺言を作成する具体的メリット
公正証書遺言を作成すると、以下のような重要な事柄について証明することが可能です。
遺言書の作成日や本人確認
遺言書に効力を持たせるためには、決まった書式に従って作成しなければなりません。
公正証書遺言であれば、本人確認書類をもって遺言者本人であることが確認されており、本人・公証人・証人の署名捺印によって遺言書自体の正当性が担保されます。
作成日も何月何日と具体的に記載され、「いつ、どこで、誰が作成したか」を証明するのに十分な信頼性を持たせることができます。
偽造リスクの回避
遺言者が遺言内容を口述し、公証人がそれを書き取って書面化するため、遺言書の偽造リスクは回避されます。
また、公正証書遺言は20年に渡り公証役場で保管されますので、紛失の心配もありません。
遺言内容の法的有効性
公正証書遺言はその高い信頼性から、ご本人が亡くなった後も裁判所による検認を受けずに効力を発揮することができます。
公正証書遺言の作成手順と当事務所のサポート
公正証書遺言は、一般的に以下の流れに沿って作成を進めます。
ステップ1.本人による遺言内容の決定
プラスの財産・マイナスの財産を含め、自分が所有するすべての財産について明らかにし、それらの相続の仕方について明記します。
後に問題とならない分け方を考えるために、遺言内容は時間をかけて丁寧に整理し決定することが大切です。
ステップ2.2人の証人の確保
公正証書遺言の作成では、本人以外に2人の証人に立ち会ってもらう必要があります。
信頼のおける人物に依頼するか、公証役場に手配を依頼することもできます。また、承認は相続人予定者以外の人で指定しなければなりません。
ステップ3.打ち合わせ
公証役場に出向くか電話等を通して、公証人と遺言内容について打ち合わせを行います。
公証人は本人から聞き取った遺言内容について、法的に間違いのない書面になるよう補い、遺言書の素案として本人に提示し、内容について双方が了解できた時点で、公正証書化の作業に入ります。
ステップ4.公正証書遺言の作成
2人の証人を伴って公証役場に出向きます。
この時、公正証書遺言に捺印する必要がありますので、本人は実印を、証人は認め印を忘れず持参しなければなりません。
遺言を残す本人は遺言内容を口述し、公証人がこれを書き取り、書き取った遺言内容を公証人が読み上げ、間違いがなければ本人・証人・公証人がそれぞれ署名と捺印を行います。
ステップ5.手数料の支払い
遺言者本人の財産状況に応じた手数料を公証役場に支払います。
財産が100万円までであれば手数料は5、000円、200万円までであれば7、000円というように、財産額に比例して手数料が増える仕組みです。
手数料を支払うと、公正証書遺言の作成作業は完了し、公証役場に保管されることになります。
これらが公正証書遺言を作成するまでの一般的な流れです。
当事務所にご相談いただければ、遺言内容の素案の作成から、証人の手配や公証役場との打ち合わせ、そして作成日当日のサポートまで、担当弁護士がしっかりと寄り添って対応いたします。
遺言内容の整理と決定には弁護士の力を借りるのがベスト
遺言書に法的有効性を持たせることができる点で、公正証書遺言は非常に信頼性の高い安全な方法だと言えますが、元となる遺言の原案については、本人がよく考え整理する必要があります。
しかし、相続は必ずしも常にスムーズに進むものではなく、遺留分の発生によるトラブルや分け方に関するいざこざが起こることも多々あるのです。
遺言書を作成する意図として、自分が亡くなった後に、相続人が平和的に手続を終えることも挙げられます。
ですから、トラブルの可能性を含めた現実的な見通しを立て、その上でどのように遺言者としての意思を反映させるか、という思考が不可欠になります。
相続問題に強い弁護士に依頼すれば、依頼者の財産状況や親族関係等を踏まえて最適と思われる助言を受けることができますし、相続にまつわるトラブルを予防する遺言書案を作ることも可能です。
当事務所では、まずご本人から遺言書で実現したいことをしっかりとヒアリングし、その上で所有財産の状況を確認していきます。
必要に応じて連携する税理士や不動産鑑定士等の力も借り、その方の希望をできるだけかなえ、かつ相続人に問題を残さない遺言書の在り方をご提案します。
トータルサポートを提供できる点が当事務所の強みの1つでもありますので、まずはお気軽に当事務所の弁護士までご相談ください。